多くの学校でPTA主催で会員(保護者)の社会見学があると思います。
今回はPTAの社会見学の目的と問題点について書いていきたいと思います。
PTAの社会見学の目的は会員の教養を高めること
PTAの活動は児童生徒の健全な発達という目的を実現するために行われています。
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児童生徒の健全な発達を実現するためには、その保護者である会員も教養を高めた方がいいと考えられます。
PTAの社会見学は会員(保護者)の教養を高めるために行われるPTA活動です。
社会見学は工場見学や手作り体験など
旅行会社ではPTAの社会見学に適したモデルコースがたくさん用意されています。
バスをチャーターして工場で試食したり食品や工芸品を手作り体験をして、お昼ごはんはホテルでバイキングを食べて、買い物できる場所に行って帰るというパターンが多いです。
日帰りバスツアーのような内容で、大人も楽しめるようになっているところが多いと思います。
中にはビール工場に行って試飲する社会見学をする学校もあります。
そのような社会見学で本当に保護者としての教養が高まり、児童生徒の健全な発達の実現できるのか疑問に感じてしまいます。
社会見学の費用の多くがPTA予算から出ていることも
社会見学に参加するのは多くの学校で参加費がかかります。
しかし社会見学にかかる費用全てを参加者が負担するのではなく一部負担で残りをPTA予算から出ている学校も多いのではないでしょうか。お昼ごはんがホテルの豪華なバイキングでそれだけでも参加費以上の値段がするということもあります。
また学校によってはもうすでにお子さんが卒業している元PTA役員であるOBも参加する学校もあります。OBは非会員ですのでPTA会費すら払っていないのにPTA会費で社会見学に行くことには疑問を感じます。
参加できない人の感じる不公平感
多くの学校では平日に開催することが多いので、仕事などで行けない人も多いでしょうし、未就学児連れの参加は認められてないことが多いので、未就学児のいるご家庭は参加することが難しいです。
またバスをチャーターする都合上、人数制限がある場合が多く、希望者多数の場合は抽選になることがあります。
参加できない保護者は不公平だと感じるかもしれません。
PTAの社会見学は親睦会のようなもの
PTAの社会見学の本来の目的は教養を高めるためですが、多くの社会見学は実際には会員同士の親睦を図るための交流行事のようになっていると思います。
多くの学校では社会見学の参加用紙には誰と参加するかを書く欄があり、一緒に参加する人を書くとバスや食事の席を隣にしてくれます。1人で参加の場合は1人同士を隣にしてくれるので、普段あまりしゃべることのない他学年の方と交流できます。
会員間の親交を深めることもPTAの目的である児童生徒の健全な発達を実現するために必要なことだと思います。
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しかし、それがあまりにも多くの予算を使って一部の人だけが恩恵を受けているのなら問題があると思います。
社会見学係のPTA役員の仕事は膨大
PTAの社会見学の役員の仕事の一例
①内容を決める
②日程を決め、旅行会社などと打ち合わせ
③場合によっては下見
④社会見学参加者募集のお手紙配布
⑤参加者の決定と、参加者への通知と詳細配布。
⑥参加者から参加料受領
⑦当日、付き添いと とりまとめ
このような多くの業務があり何日にも渡って、作業をしなければいけません。
コロナ禍で見直されるPTAの社会見学
PTAの社会見学に参加するのは、一部の人で同じ人が毎年、参加することが多いです。
もし社会見学の廃止を提案すると、その一部の方から反対の意見は出るかもしれません
しかし多くの業務と予算を使ってまでする必要はないし、社会見学を楽しみたければ、お友達と日帰りバスツアーにでも行って楽しめばいいと思います。
児童生徒の健全な発達を目的とするPTA行事としてやる必要はないと思います。
2020年度、コロナの影響でPTAの社会見学がなくなった学校も多いと思います。
これを機にPTAの社会見学の開催も見直される学校が増えるといいなと思います。
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